読書感想『世界の果てのこどもたち』

 

昔から歴史があんまり得意じゃなくて、テスト前になるととりあえず範囲のところの教科書を丸暗記して凌いでいました。笑

なんで苦手かって、歴史の教科書の、あの淡々と事実だけが述べられていくかんじが受け付けないというか、本当にあったことのはずなのに現実味がない気がして覚えられないんですよね。(言い訳です)

 

『世界の果てのこどもたち』は戦争によって激動の人生を歩むこととなった3人の少女のお話ですが、戦争について知りたいというよりは、この本の著者である中脇初枝さんの他の作品が素晴らしかったので読んでみようと思い、図書館で手に取りました。(他の作品についても別の記事で書けたらなと思っています。)

 

満洲のお寺の中で、大雨のせいで帰れなくなってしまった少女3人が、そのうちの一人が持っていた一つのおにぎりを分け合うシーンがこの物語の大きな軸となります。

『いくらみじめで不幸な目に遭ってもね、享けた優しさがあれば、それをおぼえていれば、その優しさを頼りに生きていけるのね。それでその優しさを人に贈ることもできる。ーーー』

 

https://books.rakuten.co.jp/rb/15488607/?istCompanyId=304a234b-c871-4407-99f0-29afe4f462b7&istFeedId=7c420678-b6a6-42af-8fee-b75d0e7cf387&istItemId=wlqwaaqla&istBid=t&scid=we_lnk_ad_book_non_pla&gclid=EAIaIQobChMImPH0_8jp5gIVxamWCh1FvAMvEAoYAiABEgLyi_D_BwE

 

満洲開拓団とか、中国残留孤児とか、言葉自体は聞いたことあったし、恐らく教科書にも載っていたんだけど、そんな教科書なんかではわからないことが『世界の果てのこどもたち』を読んで、少しだけど知ることができた気がします。教科書では三行くらいで済まされていることの中には、実際に人々の生活があったしその時代を生きた人それぞれの壮絶な人生があったのですね。初めて歴史の中に現実味を感じることができました。